海外への引っ越しは国内の引っ越しとだいぶ違います。
どうやってするのか、何を持って行って良いのか、等々、初めてだと迷いますね。
行き先によって最終的に事情は違ってきますが、子連れ海外引っ越しを3回経験した私が地域に限らずお勧めする基本的な荷物術をまとめてみました。
船便と航空便と手荷物

海外に引っ越し荷物を送る手段は主に3つです。
- 船便:1〜2ヶ月かけて運ぶ 最も安い
- 航空便:1〜2週間で届く 料金が高い
- 手荷物:渡航する際に自分で手荷物として運ぶ
これらをどのように組み合わせて使うかを考えてから荷造りを始めます。
一般的な海外赴任の場合、何らかの形で会社が引っ越し費用のサポートをしてくれますので、その内容を確認しましょう。
会社によっては指定業者があり、迷うことなく準備を進められるケースもあるようです。
我が家の場合、会社からは経費の一部補助があっただけなので、業者の選定から全て自分で行い、なるべく費用をかけずに運ぶことを心掛けました。
航空便は一箱あたり数万円かかると言われ、とても割高です。
船便も国内の引っ越しとは比べ物にならないくらいお金がかかります。
輸送費に加え、国境を超えて荷物を運ぶ際にかかる通関料などがかかってくる為です。
なので我が家では航空便は使わずに、船便と手荷物で運ぶようにしています。
必要なものだけを厳選して荷造りをします。
子どもの学習関連

一番悩むのが子どもの学習関連の物ではないでしょうか。
日本人学校に入れる場合と現地校やインターナショナルスクールで外国語の教育を受けさせる場合とでは少し心構えが違います。
日本語を母語として育てるのであれば、日本語の教育をしっかり続けることが大切です。
数年後に帰国して日本の学校に通うことを予定しているなら、なおさらです。
外国語の学校に通いながら日本語をきちんと学ぶことは難しいことではありません。ただし少し工夫が必要です。
意識的に家庭内で日本語を使い、たくさんの日本語に触れさせる事が大切です。
それには普段の会話に加え、たくさん読み聞かせをするのが効果的です。
子どもが小さいうちからきちんとした日本語を身につけるために大切なこととして、我が家では絵本を必ず持って行きます。
外国語の幼稚園などで教育を受けている子どもはどんどん外国語で世の中を学んで行きます。家庭内では日本語でそれらの知識を自然に紐付けてあげましょう。
我が家では最初の赴任では2歳の子供を連れて行きましたが、毎晩いろんな絵本を読み聞かせていた結果、日本語も英語も一緒に上達しました。
ぜひ持って行きたい本
小さなお子さんなら、絵本と図鑑をなるべくたくさん持っていくことをお勧めします。
子どものお気に入りの本だけでなく、幅広い分野の本を持っていくと良いでしょう。
図鑑は日本語の語彙を増やすのにとても役立ちました。
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子どもが一人で図鑑を開く習慣がない場合には、何か見つけた時などに親が一緒に開くようにしましょう。
面倒なようですが、このひと手間が後々の成長に大きく影響したと実感しています。

絵本の選び方がわからない、という方はぜひ本屋さんで「絵本のロングセラー」を聞いてみてください。
20年、30年読み継がれているロングセラーには長く人々に愛される理由があります。
本は少々嵩張りますが、目への影響なども心配なので、特に小さな子どもには紙の本が良いと思います。
赴任先によっては日本人向けの図書館などがある場合もありますので、現地の事情を調べておくと良いでしょう。
中学生くらいになると本人の好みがはっきりして来て親が与えても手に取ってくれないケースも多いでしょう(我が家ではそうでした…)。
紙の本派の私としては味気ないですが、引っ越し荷物を厳選する事を考えると、それくらいの年齢になるとデジタル本が現実的かなと思います。
日本人学校に通う予定の場合には学校の図書室なども活用できるでしょうし、日本語維持についてはあまり心配ありません。
むしろ、滞在予定の地域についての知識を増やせるような本を持っていくとよいかもしれませんね。
本を詰める際に百均などで売っている薄い金属製のブックエンドを一緒にいくつか入れておくと新居で本を整理するのに便利ですよ。
教科書や学用品は?
外国語で教育を受ける場合には帰国した時に日本の学校にスムーズに入れるよう、日本の勉強も必要です。
中学生までは教科書の無償配布があるので、まずはその制度の手続きをします。
手続きは海外子女教育振興財団で行います。
ここでは教科書のことだけでなく、現地の学校のことや帰国後の進路のことなど、幅広く相談に乗ってくれます。
詳しくはこちらへ → https://www.joes.or.jp/
学用品は必要最低限のものは持って行きますが、基本的なものは現地で揃えることができるでしょう。
日本の小学生が当たり前に持っているリコーダーや上履き、絵の具セットなどは海外の学校では必須ではありません(日本人学校は日本と同じ準備が必要)。
現地校やインターで必要になる学用品を日本で準備する必要はないと思います。

通信教育や市販の教材を便利に使う
週末に通う補習授業校がある地域は、積極的に活用するとよいでしょう。
補習授業校がない場合には自力で日本の勉強をしなければなりません。
インターネットだけで受けられる通信教育がいろいろとあるので、それを活用するのが便利です。
学習用のPCやタブレットは海外でも購入できますが、日本の方が選択肢が多く安価なケースもあるので、我が家では国内で購入して持って行きました。
地域によっては日本人用の塾もあり、標準的なレベルの日本語維持から難関校向け入試対策まで幅広く対応しています。
大手の進学塾も海外に展開していますので赴任先にそのような選択肢があれば帰国時に受験を考えている場合には心強いですね。
入試対策のある通信教育もありますので、探してみるとよいでしょう。
さらに自力で学習をする際に便利なのが市販の教科書ワークなどの教材です。
我が家では帰国時に入試を予定していなかったので、教科書に沿った内容のものを持参して基本レベルの学力維持に努めました。
タブレット学習では実際に書く学習が足りなくなりがちです。
タブレットによる通信教育に加え、教科書ガイドで紙に書きながらの勉強をすることで、基本的な内容は自宅で学習できました。
衣類

子どもの衣類をどこまで持っていくかは悩ましいところです。
海外では、日本人コミュニティーや外国人コミュニティーで不用品のやりとりが盛んに行われているのをよく見ます。
バザーなどで帰国に際して不要になった子供服を譲る光景がよくみられ、在留外国人同士、お互い助け合っています。
海外だと衣類のサイズが日本人体型に合わないと言われますが、ファストファッションが世界中に広まっている今、選択肢はたくさんあるので、さほど心配はいらないでしょう。
ジュニアサイズの女子用肌着や生理用ショーツなどは便利に作られている日本製が使いやすいので、持参すると良いと思います。
衣類はプラスチックの引き出しケースが便利
衣類を運ぶ時にとても便利だったのが、プラスチック製の引き出し式の衣類ケースです。
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普段日本のクローゼットで使っているものをそのまま段ボールに入れて運びました。
海外では家具付き住宅を借りる事が一般的です。
ただし、収納家具の作り方が日本とは違い、必ずしも使い勝手の良い物ではないので、日本からのプラスチックの引き出しケースを持って行きそのまま使えたのはとても便利でした。
クローゼットのサイズは様々なので、日本から持参したものが入るかどうかは行ってみないと判らない部分ではありますが、プラスチックの引き出しケースならそのまま部屋の隅に置くだけで箪笥として使えます。
生活雑貨類で持っていく物
なるべく現地調達をしたいので持ち物は厳選しますが、敢えて日本から持っていくのをお勧めする物もあります。
一般的なところでは
- 普段から使っている医薬品
- 基礎化粧品類
- 肌着類
あたりでしょうか。
これに加えて我が家では
- 普段から使っている百均グッズ(特に台所とお風呂)
- ご飯用の鍋
- 雑巾にしても良いタオル
を持って行きます。
これは、今回日本から運ばなかったのを深く後悔したもの⇩
- 外国製掃除機(スティック型もしくはロボット式で変圧器が不要のもの)
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現地調達で、そこそこ有名なヨーロッパメーカーの掃除機を買って使っていますが、品質が悪く、決して安くは無かったのにすぐ壊れてしまいました。
かといって、ダイソンの掃除機はこちらでは割高…
日本で買って持ってくれば良かったと後悔しています。
ただしバッテリーについては、火災の原因となる事案がこのところニュースになっているので、輸送できるかどうか、要チェックです。
普段から使っている百均グッズで台所と風呂場をまず整える(手荷物)

調理器具やら細かい収納の仕分けなどに百均グッズを活用している方も多いと思います。
我が家の台所では様々なところに百均グッズを使っていますが、赴任の際にはそれごと全部運んでしまいます。
百均グッズは軽いプラスチック製で小さなものが多く、嵩張らないのが魅力です。
食品を保存するタッパー類も空の状態ではなく、なるべく何か必要な物を詰めて持っていくようにしています。
普段から使っているそのままを運ぶことで、新しい台所ですぐに作業が始められます。
風呂場も海外仕様だと必ずしも使い勝手が良いとは言えません。
そんな時に便利なのがフック類です。
S字フックや貼って剥がせる粘着フックなど少し多めに用意すると便利です。
日本の百均で売っているような細々とした物を海外で見つけるのは必ずしも簡単ではなく、特に「痒い所に手が届く」タイプの物は海外ではなかなかありません。
日本のDaisoも海外展開をしていますが、日本とは価格が違います。
日本から持参した普段の物があると、慣れない海外での暮らしをストレス少なく整えることができ、スムーズに新生活をスタートさせられます。
いずれも大して嵩張る物ではないので、荷物の隙間にぽんぽん放り込んで持って行きます。
特に子連れで引っ越しの場合、台所と風呂場は真っ先に使う場所なので、そこを整えることで、新生活にゆとりができます。
これらは、船便ではなく、手荷物として運んでしまいます。
いろいろと使えて便利なタオル(手荷物・船便)
新居ではまず掃除が必要ですね。
荷物を解いて棚に収納するのにも拭き掃除が必要です。
そんな時活躍するのが普段から使っているタオルです。
手を拭くのにも使えるし、雑巾として使ってもよいし、いろんな使い道があります。
我が家では手荷物でも船便でも荷物の隙間に緩衝材の代わりに普段使っていたタオルを入れて持って行きます。
荷解きの後大量のプチプチを処分する手間も省けます。
でも、壊れたら困る大切なものはちゃんと緩衝材で守ってあげて下さいね。
海外では変圧器が必要
海外で日本の電化製品を使うには変圧器が必要です。
変圧器は重たくて大きくて高額なので、我が家では使っていません(大抵のPC類は変圧器は不要です)。
洗濯機、冷蔵庫、オーブン、電子レンジ、テレビ等々大抵のものは現地調達でも問題ないと思います。
これらのものは家を借りる時にセットで借りられるケースも多いでしょう。
ただし日本で使っていた物と同じレベルの家電を手に入れようとすると日本よりはるかに高額になる場合が多いので注意が必要です。
私の場合はあまりこだわりが無かったので、そこそこの品質のものを現地で調達して使っていました。
日本で広く使われている外国製掃除機などは海外でも変圧器なしで使えるものもあり、そのまま持って行って使えて便利です。
電化製品は海外で買うより日本の方が安く手に入ることもあるので、赴任先での価格を確認した上で持っていくかどうか検討すると良いと思います。
ご飯は鍋で炊く
炊飯器だけは日本のご飯用のものとそうでないのとは品質にだいぶ差があるようです。
海外で変圧器なしで使えるタイプのものを購入して持っていく人もあるようですが、私は鍋を持っていくのをお勧めします。
ご飯を鍋で炊いたことのある方はお分かりだと思いますが、鍋でご飯を炊くのは、とても簡単です。
しかもとても美味しい!
色々と試した中で最も良かったのはこちらのお鍋。
ご飯鍋でよくある重たい陶器製ではなく、金属製で軽いのでとにかく扱いやすいのが特徴です。
こびりつきにくいフッ素コートで、IH対応なのも◎。
ご飯以外の煮炊きにも大活躍です。
最近はご飯用の土鍋もたくさん出回っていますが、渡航先の台所の仕様が不明の場合にはIHでもガスでも使える鍋だと安心です。
一台何役も、ということならこちらは定番ですね。
炊飯器だと大抵1時間かかるところが、鍋だと約半分の時間で炊けます。
鍋の場合、炊飯以外の使い道があるのもお勧めポイントです。
なるべく使用目的が広いものを選ぶ
引っ越し荷物は少ないほど安く済みますので、荷物は厳選し、必要な物だけを持って行きます。
一つの物で多くの使い方ができるものを持っていく方が合理的です。
炊飯器をやめて鍋にするのはその点でも合理的なのです。
船便は重さではなく、大きさがポイント
船便だと1〜2ヶ月かかるので、到着後すぐに必要になるものは送れません。
必要だけれど2ヶ月間ぐらいなら無くても我慢できるものを船便に入れます。
船便の場合、重量ではなく全体の大きさが鍵になります。
本や鍋など重たいものでも船便ならOKです。
全体の大きさで料金が変わってくるので、なるべく自分で、無駄なく詰めるとより節約になります。
我が家の場合、割れ物ではないおもちゃや本などの隙間に衣類やタオル、リネン類を詰め込み、なるべく緩衝材を使わないようにしています。
引越し用のおまかせパックで、業者の方が詰めてくれたことがありましたが、あまりに大切に包んで下さったため、大きな箱に緩衝材ばかりを輸送する結果になってしまった事がありました。
人にお任せすると何処に何を詰めたかも分からなくなるので、私は自分で詰める方が好きです。

今すぐ必要な物 → 手荷物
到着後すぐに必要になるものは、手荷物で運びます。
必要最低限の学用品、調理器具、食品、当座の衣類などは手荷物で運びます。
特に子連れの場合、キッチンや洗面所周りが、最初からある程度整うと生活の立ち上げがスムーズに行きます。
手荷物は飛行機に乗せられる分だけなのでかなり限られてきます。
通常エコノミークラスだと大きなスーツケース2個までが一般的で、サイズも細かく指定があり厳しい重量制限もあります。
ANAやJALだと海外赴任用のサービスがあるので、フライトが決まったら、まず確認し、最大限サービスを利用しましょう。

超過手荷物料金は高額なので無料で預けられる範囲にギリギリで納めます。
重さを確認しながらオーバーしないように慎重に詰めるのがポイントです。
スーツケースではなく、段ボールで持って行く

重量と大きさの規定が厳しい手荷物を作るのに便利なのが段ボールです。
手荷物と言えばスーツケースを思い浮かべますが、スーツケースはそれだけで重量も厚みもあるので、物をたくさん運ぶという点では非効率です。
家族4人で渡航する場合、一人当たり2個預けられるとして、単純計算で大きめの段ボール8個を手荷物で運ぶ事ができます。
段ボールは船便の際に余分に大きめの物(手荷物サイズ規定に注意)をもらっておくと良いでしょう。
空港までの輸送手段と到着時の輸送手段を早めに検討する
大量の手荷物を運ぶ手段についても予め検討が必要です。
主な手段は…
- 自宅から空港までの宅配サービス
- 大型ハイヤー
- レンタカー
なるべく早い段階で料金をシミュレーションして、最も良い手段を考えましょう。
我が家の場合、大型のバンをレンタルして人も荷物も出発空港まで運びました。
航空会社による赴任者向けサービスなどがある場合には、最大限それを活用します。
どれも事前の申し込みが必要なので、フライトが決まった段階で検討を始めると安心です。
赴任先の空港でのことも考えておきます。
会社での赴任の場合、出迎えもあり得るので、予め荷物の個数などを伝えておくと良いでしょう。
自力で空港から新居や宿泊先に向かう場合には、現地のタクシーなどの事情を調べておくと安心です。
今なら、インターネットで色々と調べられるので便利ですね。
柔軟な考え方で乗り切ろう
慣れ親しんだ日本の暮らしとは違い、海外では今までのやり方が通用しないこともしばしばです。
そんな時に重要なのが、柔軟な考え方で臨機応変に対処する力です。
船便が届くまでの1〜2ヶ月間は物が無い状態でなんとか乗り切らなければなりません。
また、運べる物が限られている状態では、持っていくものを厳選しなければなりません。
当たり前のように使っている便利グッズも本当に必要かどうか見極めが必要です。
厳選して持って行っても現地では結局使わなかったり、持って来なかった事で後悔する物も出てきます。
海外で暮らしを整えるのは楽ではありませんが、新しい世界を探検するのはとても楽しいものです。
ここに紹介したコツは、この先世界のどの地域に行くことになっても私が実践する基本的な荷物術です。
是非参考にしてみて下さい。
Bon voyage!

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